日光市内に残されている文化財を守り伝えるため所有者や管理者のご理解と協力を得ながらその保護と活用を図っています。
名称 |
岩芝伝統工芸技術 |
種別1 |
無形文化財
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種別2 |
工芸技術
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員数 |
0 |
地域 |
藤原
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所在地 |
日光市中三依 |
- 解説
- 地元の人々が岩芝と呼んでいるミヤマカンスゲ(またはカンスゲ)を素材にした民具である。この民具を地元ではイジッコと呼んでいる。岩芝は水に強く、繊維が細く丈夫で太さが揃った縄にするのに適しているため袋物やミノなどの素材に多様に用いられている。岩芝は奥山の沢の斜面地に自生しているがその新芽が活用される。採集は9月10日頃から彼岸頃までの10日前後に行われる。新芽を抜くのに最適な期間中だけになる。採取した岩芝は、その日のうちに陰干しされ秋口の10月一杯までに適度に干し(干しすぎないよう)保存する。製作は、岩芝の干し戻し工程から始まるが、煮え湯等で柔らかくしたうえ、縄綯に適した葉巾に裂き揃え、縄綯作業に入る。縄は一定した太さ、綯もどしの利いた固いしっかりした縄を十分に用意する。これを資材にイジッコは編まれる。「型への縄掛け」「底部編」「側面編」「風通し窓を入れた両面編」仕上げに「紐通し」の順序で製作される。阿久津氏は、伝統的な技術保持者で作風は繊細かつ上品な民芸品の趣を併せ持った技術者である。
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