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日光市の指定文化財|BUNKAZAI.EDU.NIKKOCITY.JP

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名称 唐木造 脇差 拵惣金具
種別1 有形文化財
種別2 工芸品
員数 1口
地域 日光
所在地 日光市所野


解説
 江戸時代の日光の彫金家として名高い神山致道の作による金具を施した脇差拵。
 柄前(つかまえ)は唐木右京柄(うきょうつか)。頭(かしら)は朧銀地(おぼろぎんじ)で山道(やまみち)形。縁(ふち)は朧銀地に高彫象嵌色絵(たかぼりぞうがんいろえ)の鰻藻図。「致道」の銘がある。目貫(めぬき)は金無垢(きんむく)の海老図。鍔(つば)は撫角形(なでかくがた)で、朧銀地に高彫象嵌色絵の鶴図。「致道」の銘がある。小柄(こづか)は、朧銀地に平象嵌(ひらぞうがん)毛彫(けぼり)の白鷺図。鞘(さや)は唐木立篠刻み。鞘口(さやぐち)は朧地無地。栗形(くりがた)は朧銀地に片切彫(かたきりぼり)の波文。鐺(こじり)は朧銀地に髙彫象嵌色絵の海老藻図を施す。
 中身は、平造(ひらずくり)、板目肌(いためはだ)で、刃文は互(ぐ)の目乱(めみだ)れ。「作陽幕下士細川正義〈刻印〉、嘉永元戊申年初夏」の銘がある。
 この一口は風雅な唐木造に神山致道の惣金具をかけた脇差拵で、中身は鹿沼の刀工細川主税佐正義(安政5年没)の作。地刃の出来よく上作である。
 致道の一作拵は極めて貴重である。
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