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日光市の指定文化財|BUNKAZAI.EDU.NIKKOCITY.JP

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名称 石造 僧形像 一、五輪塔 八、宝篋印塔 二
種別1 有形文化財
種別2 建造物
員数 11基
地域 日光
所在地 日光市清滝

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解説
 僧形坐像は高さ約80cmで台座に安置され、衣躰と顔立ちに特徴がある。衣躰は天台宗の最高位、探題大僧正の着衣であり、衣の文様も丁寧に彫られている。顔のしわも丹念に刻み、特徴のある風貌をしている。この姿は輪王寺蔵の木造慈眼大師坐像と酷似する。輪王寺と清滝寺との密接な関係を考えると、この僧形像は「天海僧正像」とみるのが妥当である。さらに、天海の石像は全国的に類例をみない。
 五輪塔8基は中世期の清滝寺歴代住職塔で、いずれにも僧名や年紀が記されている。ただし、寸法については造立当時のままとは断定できない塔もあり、約1m平均と推定される。
 年紀銘は「法印應海 文明八丙申三月」(1476)を筆頭に享禄2年(1529)法印亮心、天正12年(1584)尊豪法印、慶長17年(1612)豪覚法印の塔が4基で、「二世永秀法印」「四世豪俊」「八世亮政」「賢海法印」などの塔が4基である。なお、尊豪は『常行堂施入帳』や稚児物語の『辨の草紙』に登場する。
 宝篋印塔2基には「當寺中興逆修大阿亮仙」と「三世豪淳法印」の年紀銘がある。ことに、亮仙は『男嶽金剛堂銅扉』や『常行堂施入帳』にその名前が記されている。
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