日光市内に残されている文化財を守り伝えるため所有者や管理者のご理解と協力を得ながらその保護と活用を図っています。
名称 |
円空作 木彫稲荷大明神立像 |
種別1 |
有形文化財
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種別2 |
彫刻
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員数 |
1躯 |
地域 |
日光
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所在地 |
日光市所野 |
- 解説
- 鼻筋から口元にかけて太く長く狐の顔をした稲荷(いなり)神である。四面を割り放し顔の外形と両目に切り込みを入れ、木裏から彫刻した像である。埼玉県内にはほぼ同形の像が16体確認されている。本像のように口元が楕円形の稲荷神が4体、口元の先端を尖(とが)らせた烏天狗が12体である。いずれも関東に滞在した延宝8年(1680)から天和2年(1682)頃にかけての作かと思われ、本像もその時期の作である。
円空仏の多くは抽象化された作である。本像も顔の輪郭と鼻筋、両目だけの最も単純化された表現だが、少しも不自然さを感じさせない力強い造型である。
銘文中に日光山で120日間修行したとある。「金峯笙窟(きんふしょうくつ)円空」は延宝3年の冬に大峰山の笙窟で冬籠(ふゆごも)りしたことを指すものであり、日光での冬籠りを示唆したものでもある。
背面墨書銘「日光山一百廿日山籠/梵字(ウン)稲荷大明神/金峯笙窟圓空作之」
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