日光市内に残されている文化財を守り伝えるため所有者や管理者のご理解と協力を得ながらその保護と活用を図っています。
名称 |
円空作 木彫閻魔王坐像 |
種別1 |
有形文化財
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種別2 |
彫刻
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員数 |
1躯 |
地域 |
日光
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所在地 |
日光市野口 |
- 解説
- 円空仏の多くは内面から沸きあがる自然な微笑が口元にある。しかしこの閻魔(えんま)王は横長に口角を広げたすさまじい怒りの表情であり、目尻の小皺は一切の妥協を拒絶する深く鋭い彫りである。他に閻魔像の作例がなく、比較することはできないが、求聞持法(ぐもんじほう)による祈りの一喝で、悪趣(あくしゅ)を退散させたその瞬間を造作したのであろう。
円空は延宝8年(1680)から天和2年の3年間、関東に滞在していた。特に天和2年は高岳のために鹿沼市・広済寺の千手観音菩薩像を造作、岐阜県・星宮神社所蔵の文書によると高岳から二つの秘法を伝授された年でもある。銘文によると、高岳は夢に閻魔王が現われた話をするなど二人はかなり親密だったようである。この時期に何度か会った可能性もあり、そのころの作である。
閻魔王は丸太を二つに割り、木裏からの造作である。
背面墨書銘「旹(ときに)寛文六年冬月予息障/立印修法至五七日夢閻魔/王告日求聞持咒三十/五遍唱永不可随悪趣云々/一念三千依正皆成佛/比丘高岳敬白」
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