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日光市の指定文化財|BUNKAZAI.EDU.NIKKOCITY.JP

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名称 小佐越滝尾神社本殿附石鳥居
種別1 有形文化財
種別2 建造物
員数 1棟
地域 藤原
所在地 日光市大字小佐越

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解説
 滝尾神社本殿は、一間社流造(いっけんしゃながれづく)り、屋根銅板瓦棒葺、総体漆塗り、彫刻総彩色のものである。基礎は切石を用いて布(ぬの)基礎(きそ)とし、亀腹石(かめはらいし)を設けている。向拝(こうはい)は、浜縁(はまえん)を設けて虹梁(こうりょう)上には竜の彫刻をはめ、身舎(しんしゃ)とは海老虹梁(こうりょう)でつないでおり、木階は5段。
 身舎は、正面板扉の両脇に昇竜・降竜の彫刻をはめ、縁を三方に廻して指肘木組物(さしひじきくみもの)で支え、擬宝珠高欄(ぎぼうしこうらん)と鳳凰に牡丹の彫刻をはめた脇障子を設けている。柱には縣鼻(かけばな)をつけ、闘供(ときょう)は出組で、中備(なかぞなえ)は鳳凰・象・虎・きりんの彫刻をつけた蟇股(かえるまた)である。軒は二重繁垂木(しげたるき)、支輪(しりん)は波に菊を彫りつけた板支輪で彩色がある。妻は彩色した虹梁の上に蟇股を備え、出組の闘供で棟木を受けている。
 本殿の建立年代は、建築手法などから江戸時代後期と見られる。また、日光二荒山神社から移築されたとも言われている。全体的に均衡のとれた形の良い建物であり彫刻類も良く残っている。
 なお、付属する石造鳥居は明神鳥居。柱に「元禄八乙亥年吉日」と刻銘がある。柱は、八角形の角を丸めたような断面を呈し、円柱ではない。柱の台輪は、上端をまんじゅう形にして、島木を輪なぎに受けている。笠木の反りは端で強く、柱の転びは少ない。柱と台輪の形状と手法は特異であり他に類例がなき、全体の形も独特のものがあるので、附(つけたり)とした。
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