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日光市の指定文化財|BUNKAZAI.EDU.NIKKOCITY.JP

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名称 かけなしの遺跡(含石仏・石碑)
種別1 記念物
種別2 史跡
員数 2基
地域 日光
所在地 日光市所野

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解説
 「かけなし」は中世期の峰修行のひとつで生岡大日堂から入峰する「生の峰」の駆け出し宿に起源するとも云われている。「駆け出し」が「かけなし」誤り伝えられたと云うが、小字名では「欠無」と称している。
 正徳期(1711~5)頃に所野竜門寺の末寺として「欠無庵」が開基され、地蔵信仰の霊場として栄えたと考えられる。明治末年の失火で灰燼に帰して以来、境内は荒廃して石垣跡や堂舎の礎石、板橋石の屋根瓦破片等が散乱していたが、現在は史跡として整備されている。
 当時の信仰を伝えるのは、堂内に祀られる石造の地蔵尊のほか、文化9年(1812)に江戸の信者が奉納した水盤石と文政11年(1828)と高さ1.8mの自然石に肉太の文字で「(マ梵字)地蔵大士」と書かれた碑のみである。この碑建立の世話人は「のゐ」「まち」と云う女性である。
 今でも「欠無」という奇異な語意にちなんで、欠無庵の首のない秘仏の地蔵尊として信仰されている。
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