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名称 勝善碑ならびに馬頭観世音碑群
種別1 有形民俗文化財
種別2 信仰
員数 54基
地域 藤原
所在地 日光市藤原

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解説
 この民俗文化財は、勝善碑と馬頭観音の碑群で、大小のもの合計54基が集められている。馬頭観世音には、文字碑と童子像の碑がある。昭和36年大字藤原の縁故者によって、現地店に集められ、整備された。
 背面に刻まれている碑の作られた年代は、最も古いもので天保11(1840)年から昭和12年へと信仰年代が幅広いことを示している。年代別には、江戸時代のもの(解読不能のものを含む)14基、明治年間のもの16基、大正年間のもの16基、昭和期のもの8基を数えることができる。
 江戸時代から、会津西街道を往来する荷物運送の駄賃収入は、大字藤原の人たちの主要な収入源であった。したがって、人びとは馬を非常に大切にしてきた。家の中に馬屋を作り家族同様に扱った。このような心情の表れとして、難所で、事故死した馬をあわれみ供養のため、死馬の拾場だったこの鬼怒川の断崖の近傍に、一疋毎に碑を建てたのである。
 明治以後のものが全体の半数以上もあることは、人びとの暮らしの形態が、この時期になっても以前と同様のものであったことを示していよう。山間の街道沿いにある藤原地域の特色を現す、重要な民俗文化財である。
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