日光市内に残されている文化財を守り伝えるため所有者や管理者のご理解と協力を得ながらその保護と活用を図っています。
名称 |
板碑 |
種別1 |
有形文化財
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種別2 |
考古資料
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員数 |
1基 |
地域 |
日光
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所在地 |
日光市匠町 |
- 解説
- 板碑の本場は関東地方で、日本最古とされる板碑も埼玉県熊谷市(旧江南町)にある嘉禄3年(1227)の板碑である。また数も多く約4万基が確認され、そのほとんどは秩父地方の青石(緑泥片岩)で造られ、その多くは室町時代のものである。
その形態は上部を三角状にし、その底辺部に二条の溝を彫って区画とする。中央に仏像や種子(梵字)を彫り、下部に蓮華座と年月日や供養者名などを記すのが通例である。目的は追善か逆修のためで、塔婆として寺院の境内や墓地に建てられた。
この板碑は高さ75cmの青石塔婆で、二条の溝も判然とし、下部に枠線を設ける。枠内上部に弥陀三尊の種子を彫るが弥陀種子は蓮台にのせ、左右に瓔珞を刻む。下部の左右には観音・勢至菩薩の種子と華瓶を配し、中央に嘉元元年2月日(1304)の年号を彫る。
近世初期の往生院移転にともなって当院に伝来したと推定されるが、破損の少ない整った美しい板碑である。
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