日光市内に残されている文化財を守り伝えるため所有者や管理者のご理解と協力を得ながらその保護と活用を図っています。
名称 |
絹本墨画 松島真景図 |
種別1 |
有形文化財
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種別2 |
絵画
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員数 |
1幅 |
地域 |
今市
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所在地 |
日光市今市 |
- 解説
- 制作年代は文政3年(1820)、彼25歳の時と思われる。
江戸時代末期の南画家高久靄崖は25歳前後の頃、今市宿に居住、文政2年(1819)24歳の時、今市の素封岸吉郎平より、松島を描き画巻にする依頼を受け、路銀25両を与えられ仙台に遊歴する。
仙台では一条家の世話になりながら、細密雄勁な筆致の大作、松島真景図を完成した。
この図は、瑞巌寺を臨む高所より鳥瞰したもので、遠近多数の島々を細密に、山々を雄勁な筆致で描き、生気溢れた大観を美しく写し出している。靄崖作中の秀作とするには、躊躇しなければならないが、初期作中では最も筆が表れ生気のある作の一つといえよう。
また、実景を描くことが少なかった当時の南画家の作としては貴重な資料であり、さらに彼の画歴中の大きなポイントをなす今市と彼との関係を示す重要資料でさえある。
すなわちこれは、彼が今市の高野某より25両を贈られ、画業を修めるために仙台に遊び、帰国後、修業の証として高野氏に贈ったものである。
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