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名称 円空作 木彫不動明王・二童子像
種別1 有形文化財
種別2 彫刻
員数 3躯
地域 日光
所在地 日光市清滝

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解説
 引き裂かれた流木のような火炎光を背に、岩座上に立つ不動明王である。飛び出した眼や大きな鼻、怒りの表情すさまじく火炎光から姿を現わした力強い表現である。
 矜羯羅童子は剃髪(ていはつ)僧形で不動明王に向けて合掌、制多迦童子は長髪で金剛棒を右手に肩を怒らせ岩座に立つ。共に線状の衣文線は鳥の羽根のようであり、人面鳥身の迦(か)陵(りょう)頻伽(びんが)の姿である。円空は造仏の約束事である儀軌(ぎき)に拘束されることもなく大胆な表現であり、迷いのない荒削りの刀法や装飾的にノミ目を生かすなどすぐれて完成度の高い作である。両脇侍像は1本の丸太をタテに四つに割り、木裏からの造作である。
 関東には現在円空仏が220体前後が判明している。栃木県内には16体が確認されており11体が日光山に関わりのある作である。他に埼玉県内には151体の円空仏が確認されている。その多くは日光御成(おなり)街道や日光街道沿いの地域に集中しており、日光山への往還(おうかん)の途中に造作された可能性も考えられる。
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