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名称 慈眼寺釈迦涅槃図
種別1 有形文化財
種別2 絵画
員数 1幅
地域 藤原
所在地 日光市藤原


解説
 ゆったりとした手枕で伏せる釈迦の宝台(ほうだい)の後方には、霊雲がたなびき、八方の沙羅双樹(さらそうじゅ)は高くそびえ、その背後には煕連河(きれんが)が見える。右上隅には寺女を伴った摩耶(まや)夫人が描かれている。
 涅槃図(ねはんず)は、毎年2月15日に催される涅槃会(ねはんえ)の本尊であるため、現存するものは極めて多く、そのほとんどが江戸時代の作である。本図のその一幅である。
 日本の涅槃図は、概ね「大般涅槃経」「大般泥洹経」などの大乗系涅槃経によって描かれているが、大きく二つの系統にわけられる。
 一つは、応徳3(1086)年製作の金剛峯寺本(こんごうぶじほん)をはじめとする平安時代の作品及び其の系統を継承した作品群である。形式としては、釈迦を画面中央に大きく描き動物を含む宝台会衆(ほうだいえしゅう)は少なく描かれている。
 もう一つは、鎌倉期以降に現れた新しい形式で、釈迦を比較的小さく描き周囲の会衆を多くする。画面の雰囲気も賑やかで、大げさに地に伏して泣き悲しむ姿が描かれている。
 本図も後者の系統に属するものである。
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